動物に癒やしてもらえる?アニマルセラピーについてご紹介!
はじめに
動物との触れ合いによって、心が癒やされて笑顔になるような経験はありませんか?または、ペットとの日々の暮らしで安らぎを感じる人は多いのではないでしょうか?
実は、動物は人の心を癒やし、心も身体も元気にするような不思議なチカラがあります。なぜ、動物にそのようなチカラがあるのでしょうか?
今回は、アニマルセラピーとは何か、そしてその効果などをご紹介いたします。
アニマルセラピーとは?
アニマルセラピーは、動物との関わりをとおして人に癒やしを与える方法です。心身の健康の向上を目的としたセラピーの一種です。
セラピーとは、本来「治療・療法」という意味の言葉です。アニマルセラピーは、人のストレスを癒やすほか、さまざまな病気の治療方法としても、
実際に医療現場で用いられています。
アニマルセラピーで人を治療してきた歴史
近年、アニマルセラピーがメディアで取り上げられるなど、動物を通した治療方法は新しいと思われがちですが、その歴史はじつに古く、古代ローマ時代にさかのぼります。戦争で負傷した兵士が、馬を用いたアニマルセラピーとして、リハビリを行っていたのです。現在、馬の他にイルカなどをアニマルセラピーに用いていますが、20世紀半ばから人にもっとも身近な動物として、ワンちゃんを用いたアニマルセラピーを本格的に開始しました。
アニマルセラピーの種類とその目的
アニマルセラピーは、大きく分けて3つの種類に分類されます。
対象となる人への目的にあわせた適切な方法を実施していきます。
動物介在療法(Animal-assisted therapy : AAT)
病院やリハビリテーション施設などで、医療従事者主導のもとで、動物を活用しながら病気を治療することが目的です。
アメリカでは一般的なアニマルセラピーとなっています。対象の患者さんにあわせてワンちゃんが参加するリハビリプログラムを構成し、ワンちゃんとリハビリを行うことでモチベーションを保てたり、ワンちゃんとのふれあいで精神的な安定につながることが証明されています。
入院患者さんがワンちゃんとのふれあい後、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが85%増加し、セラピー犬と呼ばれるワンちゃん自身も70%上昇したそうです。
動物介在活動(Animal-assisted activity : AAA)
人と動物のふれあいをメインにしたボランティアを基盤にした活動で、動物が人の心にやすらぎを与え、生活の質の向上を目的にしています。
医療従事者は介入しません。日本でのアニマルセラピーで多く実践されています。高齢者福祉施設などでワンちゃんネコちゃんとともに行うレクリエーションで、高齢者の笑顔や発話が増え、表情が明るくなり、撫でたり抱えようとするなどの自発的な行動を促す効果があります。
このときの高齢者のホルモン測定した結果、幸せを感じるときに分泌されるオキシトシンが80%増加し、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが29%減少したことが証明されています。
動物介在教育(Animal-assisted education : AAE)
教育従事者が子どもたちを対象に、動物との関わりをとおして命の大切さ、社会性、協調性、思いやりなどの学びのサポートを目的としてアニマルセラピーを活用しています。
幼少期から動物と関わることで、コミュニケーション力、言語の発達、自分で考える力、他者への思いやりなど、子どもの心を豊かに育みます。JAHAでの動物介在教育では、「犬と仲良くなろう」というプログラムを小学1・2年生の生活科の授業に取り入れ、学習の効果に対する評価を行っています。
同様に海外でも、図書館などで行われる「犬との読書会」という活動が増えてきています。子どもがワンちゃんに本を読み聞かせることは、大人に読んだり、一人で読むよりも、リーディングスキルの向上に効果があることがわかっています。
アニマルセラピーが人にもたらす3つの効果
前述の内容からわかるとおり、動物との関わりによって人の心や身体に癒やしの効果があることがわかります。その具体的な効果を説明いたします。
生理的効果
動物とのふれあいで、脳内伝達物質の「ドーパミン」「オキシトシン」の分泌が増え幸福感を与えます。それによって以下のような生理的効果が得られます。
心理的効果
動物と接したときの楽しさや幸福感が日常生活の中に増えると、以下のような心理的効果をもたらします。社会的効果
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社会との関わりがなくなっている高齢者などが、
動物との関わりをとおして、他者との交流や社会とのつながりを円滑にすると、以下のような社会的効果をもたらします。
おわりに
アニマルセラピーの魅力について知っていただけましたか?動物との関わりで人の生活と心を豊かにし、動物にとっても人との関わりはとても大切なのです。おうちでワンちゃんやネコちゃんと暮らすこともアニマルセラピーといえます。
さまざまな場面で活かされているアニマルセラピーの輪を、これからもっと広められたらいいですよね。